配管フランジの用途と種類
 フランジは、石油、ガス、水等の輸送や(パイプライン、船舶)、これらの製造設備、電力発電、化学薬品、化学肥料の製造設備等様々な分野で使用されており、その種類、形状は多種に亘り流体の種類や使用環境によって材質も多様化しています(低炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、高合金鋼、非鉄金属等)。
 フランジは接続される鋼管との接続方法により第2図に示すように形状が分類され、また使用されるガスケットの種類により第3図のように座の形状が分類されており、指定条件が異なれば違った形状のものとなるので発注に際しては第1図に示す項目の明確な指示が必要となります。(第2図、第3図共にJPI-7S-15規格から引用)。

第1図 フランジ発注時の指示必要項目

第2図 フランジの形状

第3図 ガスケットの形状
 
(1)適用材質規格名及び材質記号
  フランジに最もよく使用される材質には低炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼(個々の詳細材質名は省略)があり、規格別に大別すると国内工事用はJIS(日本工事規格)、海外工事用はASME米国機械学会規格)やASTM(米国材料・試験協会規格)が適用されています。
 また、工事によっては、高圧ガス保安法や原子力告示並びに電気事業法等の法令が適用されるものもあり、これらの適用材質規格や法令によって製造要領、検査項目及び資格認定有無等の要求事項が異なります。
 
(2)適用形状規格
弊社が製作しているフランジの形状規格は以下のグループに分類されています。
A.JIS系 JISB2220を代表とする呼び圧力をK(キロ)で表すもの。
B.ASME系 ASME B16.5を代表とする呼び圧力をLbs(ポンド)で表すもの(旧ANSI規格)。
   
B16.5(小中径) JPI-7S-15へ
B16.47(大口径)シリーズA MSSSP-44を包含
JPI-7S-43へ
シリーズB API-605を包含
JPI-7S-43へ
C.その他-1: API-6A、6Bを代表とする呼び圧力をPSI(ポンドスケアインチ)で表す石油掘削機器用高圧フランジ規格のもの。
D.その他-2: ユーザーやメーカーが設計、開発した特殊形状のもの。
E.弊社では製作してないが、DIN規格を代表とする呼び圧力をPN(ノミナルプレッシャー)で表す。EN規格(欧州統一規格)のものがある。
 上記のように形状規格には種々のものがあり、規格が異なれば設計思想、寸法・形状も大きく異なるため的確な指示が必要となります。
 
(3)圧力クラス
  前項に述べた各規格の設計基準の違いにより、圧力クラス(呼び圧力)が規格にり異なります。各規格毎の圧力クラスは以下の通りです。
  • JIS系:5K、10K、16K、20K、30K、40K、63K
  • ASME及びJPI系:150Lbs、300 Lbs、400 Lbs、600 Lbs、900 Lbs、1500 Lbs、2500 Lbs
  • API-6A:2000PIS、3000 PIS、5000 PIS、10000 PIS、15000 PIS、20000 PIS
  • EN規格系:PN10、PN 16、PN 20、PN 50、PN 110、PN 150、PN 260、PN 420
 
(4)形状区分
  第2図に示すように鋼管との接続方法の違いにより次の基本的な形状が規格化されています。
  • 突き合わせ溶接形(Welding Neck:WN)
  • スリップオン形(Slip-on Welding:SO)
  • 一体形(Integral又はLong Welding Neck:LWN)
  • ソケット溶接形(Socket Welding:SW)
  • ねじ込み形(Threaded又はScrewed)
  • 遊合形(Lapped Joint:LAP)
  • ブラインド形(Blind:BL)

 上記以外にもこれらの応用形として、異径鋼管を接続するレデューシングフランジと呼ばれるものも規格化されています。
 
(5)座の種類
  フランジで最も重要な部分とされているのがガスケットコンタクト面と呼ばれている座です。使用されるガスケットの種類によって第3図に示す様に形状が分類され、形状だけでなく機械加工表面の仕上粗さ精度も細かく規定されています。流体のリークを防ぐためのシール性に重要な役割を持つ部分です。同一鋼管サイズ、同一呼び圧力、同一タイプ(例えばWNタイプ)であってもFF(全面座)やRF(平面座)とRTJ(リングジョイント)ではフランジの厚みや全高さが変わってくるため注意が必要です。
 
(6)適用鋼管径及び鋼管肉厚(SCH. NO.)
  鋼管径呼称(呼び径)は、JIS規格ではA表示を用い、ASME系の規格ではB表示を用いており、それぞれ10Aから1500A(1/8Bから60B)まで規格に記載されています。また、SCH.NO. (スケジュール番号)とは鋼管の厚み区分を示す番号であり、SCH番号が大きくなるにつれ肉厚になります。ただし、SCH番号が同じであればどのサイズも同じ厚みになっているのではなく、これもサイズ毎にSCH番号によってすべての厚みがことなっています。
  JIS鋼管とASME(ANSI)鋼管では、同一呼び径であっても外径寸法が異なる範囲があり(5B、6B、8B、10B、12B)、外径寸法が違うことによってSCH番号毎の内径寸法も変わってきます。SOタイプのように鋼管を差し込んで溶接するものと、WNフランジのように鋼管と突合せ溶接するものや、SWタイプのようにフランジの内径寸法が一致するものは、開先部の外径寸法及び内径寸法に差が生じます。ASMEフランジJIS鋼管を接続する場合、またはその逆の時は、前もって製作側にその旨、指示がないと現場での溶接の際トラブルを起こす恐れがあります。
 
ここに掲載した内容は日本工業出版「配管技術」第42巻第9号に掲載された内容です。
筆者:木原雅充(弊社、品質保証部長)


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