フランジ製品
フランジ選定のポイント
フランジの発注に関しては以下の明確な指示が必要となります。
① 材質規格名&材質記号
フランジに最もよく使用される材質には低炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼(個々の詳細材質名は省略)があり、規格別に大別すると国内工事用はJIS(日本工業規格)、海外工事用はASME(米国機械学会規格)やASTM(米国材料試験協会規格)が適用されています。工事によっては、高圧ガス保安法や原子力告示並びに電気事業法等の法令が適用されるものもあり、これらの適用材質規格や法令によって製造要領、検査項目及び資格認定有無等の要求事項が異なります。
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② 形状規格
シモダフランジが製作しているフランジの形状は右図のグループに分類されています。形状規格には種々のものがあり、規格が異なれば設計思想、寸法・形状も大きく異なるため明確な指示が必要となります。
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③ 圧力クラス
前項に述べた各規格の設計基準の違いにより、圧力クラス(呼び圧力)が規格と異なります。各規格毎の圧力クラスは以下の通りです。
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④ 形状区分
鋼管との接続方法の違いにより次の基本的な形状が規格化されています。下図以外にもこれらの応用形として、異径鋼管を接続するレデューシングフランジと呼ばれるものも規格化されています。
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⑤ 座の種類
フランジで最も重要な部分とされているのがガスケットコンタクト面と呼ばれている座です。使用されるガスケットの種類によって下図に示す様に形状が分類され、形状だけでなく機械加工表面の仕上粗さ精度も細かく規定されています。流体のリークを防ぐためのシール性に重要な役割を持つ部分です。同一鋼管サイズ、同一呼び圧力、同一タイプ(例えばWNタイプ)であってもFF(全面座)やRF(平面座)とRTJ(リングジョイント)ではフランジの厚みや全高さが変わってくるため注意が必要です。
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⑥ 適用鋼管径&鋼管肉厚(SCH. NO.)
鋼管径呼称(呼び径)は、JIS規格ではA表示を用い、ASME系の規格ではB表示を用いており、それぞれ10Aから1500A(1/8Bから60B)まで規格に記載されています。また、SCH.NO. (スケジュール番号)とは鋼管の厚み区分を示す番号であり、SCH番号が大きくなるにつれ肉厚になります。ただし、SCH番号が同じであればどのサイズも同じ厚みになっているのではなく、これもサイズ毎にSCH番号によってすべての厚みがことなっています。 JIS鋼管とASME(ANSI)鋼管では、同一呼び径であっても外径寸法が異なる範囲があり(5B、6B、8B、10B、12B)、外径寸法が違うことによってSCH番号毎の内径寸法も変わってきます。SOタイプのように鋼管を差し込んで溶接するものと、WNフランジのように鋼管と突合せ溶接するものや、SWタイプのようにフランジの内径寸法が一致するものは、開先部の外径寸法及び内径寸法に差が生じます。ASMEフランジJIS鋼管を接続する場合、またはその逆の時は、前もって製作側にその旨、指示がないと現場での溶接の際トラブルを起こす恐れがあります。
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※ここに記載されている内容は日本工業出版「配管技術」第42巻 第9号に記載された内容です。
著者:木原雅充(シモダフランジ 常務取締役)
製品例
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